2月9
毎年冬になるとしもやけに悩む患者さんがいます。
私もしもやけではないですが、毎冬右拇指のあかぎれが起こります
冷えて肩がこる作業、例えば編み物などをすると起こりやすいようです。
去年から置き薬の中に湿潤性の絆創膏を入れてもらっています。あかぎれの部分にこれを貼ると傷がきれいに早く治るので、今年も貼っていました。
しかし、今年は2回貼り直しても、傷の治りが遅くまたすぐに裂けてきます。
なぜだろうと思って右拇指の指尖穴を確認すると気の流れが滞っていました。だから、なかなか治らなかったのかと理解しました。
治療は指尖穴に数回、瀉法鍼を施し、気が流れるようにしました。気が流れると痛みが減ります。その後は裂けることなく現在もきれいになっています。
しもやけも同様に指尖穴に瀉法鍼を施すと、すぐに手足がぽかぽかして気持ちがよいと言われます。継続する必要はありますが指尖穴への瀉法鍼はしもやけにも効果があります。
7月5
瀉法鍼は硬結のある部分に用いるのが良い。
邪専用鍼は表面柔らかくグジュグジュして、リンゴのあたり傷のような部分に用いるのが良い。
10月26
邪専用鍼のタッピングする速さを変えることによって、様々な深さの邪に対応できる。
遅いと深い邪、速いと浅い邪。しかし鍼が邪の深さに到達していないといけない。
邪の所見は硬い。表面が軟らかくても中を探ると硬いものは、邪が沈んでいる。
この場合は、始めに深いところの邪に対して処置をする。その後、邪が何段階かに分けて浮いてくる。そのたびごとに深さ(タッピングの速さ)を変えて、邪を取り除く。
打診術の応用。
1月11
本の中では、てい鍼の手法は衛気の手法、営気の手法と転換手法を載せてありますが、てい鍼でも毫鍼のように様々な手法で補瀉が行えます。
本の中での瀉法は、営気の手法で陰気を補って実を瀉すという方法ですが、ここで紹介する方法は直接、気を抜いてしまいます。
手法の仕方は、てい鍼を通常の持ち方とは逆に持ち、竜頭の部分を皮膚に接触させます。
気は太い側から細い側へと流れる性質があるので、接触しているだけで気は抜けますが、速やかに効果を出したいときは捻転の補瀉を使います。
捻転の補瀉は、時計回りに回せば気が入る補で、反時計回りに回せば気が抜ける瀉になります。
ですから竜頭を皮膚に接触させて反時計回りに回転させるとすぐに気が抜けます。
この手法は、浅いところの熱を取るのに有効です。
私は口内炎の治療の時によく用いています。
治療法は、口内炎ができている部分の外の皮膚に熱感が感じられます。この熱感部を探し手法を行います。手法は熱感がとれるまで行います。熱が抜けると口内炎の痛みがかなり軽減し、治りも早くなります。
舌にできている場合は、直接できないので、地倉穴や熱感の反応が出ているツボに同様に手法を行います。
この治療以外にも皮膚表面の熱が停滞している部分には有効ですのでお試しください。
7月26
てい鍼は刺入できませんが、深部にも効果を及ぼすことができます。
ただそのとき気をつけることは、鍼を皮膚に深く押しつけないことです。
表面の気が動けば深部の気もだんだんと動き始めます。
深くすると表面の気が虚し気の動きが停滞します。
邪気が停滞していれば、 気が動くことによって体外に出てきます。
だから無理に深部の気を動かそうとしないほうがよい結果が得られます。
7月23
表裏関係にある経脈は、治療する前は虚実の関係になっていることが多い。
また絡穴には表裏関係にある経と同じ虚実の反応が現れている。
どちらかの虚実を治療すると表裏関係にある経の反応もなくなることが多い。
古典にある表裏経の治療は、このようなことから導き出されたのかもしれない。